臨床栄養学の過去問 23-126

臨床栄養学の過去問 23-126

23-126 食物と医薬品の関係に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a α-グルコシダーゼ阻害薬は、食後に服用する。
b グレープフルーツジュースの摂取は、薬物代謝酵素に影響を与える。
c ビタミンKは、ワーファリン(ワルファリン)と拮抗する作用をもつ。
d 食品中のカルシウムと薬物が結合したキレートは、溶解性である。

 

(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

 

解説 a × α-グルコシダーゼ阻害薬は、食前に服用する。α-グルコシダーゼ阻害薬は、食前に服用することで腸管での糖の分解を抑制して吸収を遅らせ、食後の高血糖・高インスリン血症を抑える効果がある経口血糖降下薬である。
b ○ グレープフルーツジュースは、薬物代謝酵素に影響を与える。例えば、グレープフルーツジュースと血圧降下薬のカルシウム拮抗薬を一緒に摂取すると、グレープフルーツジュースが薬剤解毒酵素を阻害するためカルシウム拮抗薬の血中濃度が上がり、薬が効き過ぎて血圧が低下しすぎる。
c ○ 狭心症や心筋梗塞の患者は、血液凝固を抑制する薬「ワーファリン」等を飲んで血栓予防をする必要がある。ワーファリンは、血液凝固に関与するビタミンKの作用を阻害することで血液の凝固を妨げる薬である。そのため、ビタミンKを多く含むクロレラや青汁、ブロッコリーはその効果を打ち消してしまうので、控える必要がある。また、納豆に含まれる納豆菌は腸内でビタミンKをつくるので、納豆も控える必要がある。
d × 抗菌薬(ペニシリン系、テトラサイクリン系、ニューキノン系)は、カルシウム、鉄、亜鉛等と薬物が結合してキレートを形成し、難溶解性となり、栄養素の腸管からの吸収を阻害する。また、薬の効果も弱まる。これらの薬剤は、牛乳等カルシウムを多く含む飲料と一緒に飲まないようにする。
解答 (4)

 

23-127 マラスムス型栄養障害に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) 体重変化による評価は、利用できない。
(2) 体脂肪量は、増加する。
(3) エネルギー摂取量は、必要量を満たしていない。
(4) 治療開始時には、投与エネルギー量を50kcal/kg標準体重/日以上とする。
(5) 食物繊維は、20g/1,000kcal以上とする。

 

 

 

解説 (1) × 体重変化による評価は、利用できる。マラスムス型栄養障害とは、たんぱく質もエネルギーも欠乏している状態で、体脂肪が減少する。
(2) × 体脂肪量は、減少する。
(3) ○ マラスムス型栄養障害に対し、クワシオルコルは、たんぱく質は欠乏しているが、エネルギーは、ほぼ充足している状態である。
(4) × 患者に栄養(とくに静脈栄養においてグルコース)を急激に補給すると、代謝が急激に亢進しリフィーディング症候群(refeeding syndrome)を発症することがある。リフィーディング症候群における電解質異常として、低マグネシウム血症、低カリウム血症、低リン血症等がある。グルコースと一緒に、マグネシウム、カリウム、リンの細胞内の取り込みが促進されてしまうので、リフィーディング症候群では、低カリウム血症による心停止を含む重篤な致命的合併症を起こすことがある。よって、エネルギー投与量を20〜25kcal/kg/日から開始する。
(5) × 食物繊維は、10g/1,000kcal程度とする。「日本人の食事摂取基準2010」における成人男性の食物繊維の目標量は19g/日以上、女性は17g/日以上である。
解答 (3)