臨床栄養学23-130

臨床栄養学23-130

23-130 「脂質異常症における食事療法の基本」(動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版)に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) エネルギー量は、現体重を維持する量とする。
(2) 炭水化物エネルギー比を40〜50%とする。
(3) 脂肪エネルギー比率を25〜30%とする。
(4) 高トリグリセライド血症の場合は、アルコール摂取量を25g/日とする。
(5) 高カイロミクロン(キロミクロン)血症の場合は、脂肪エネルギー比率を15%以下とする。
*2007年版→2012年版に変更
*問題・解説(1)〜(5)を、2012年版に合わせて変更

 

 

 

解説 (1) × エネルギー量は、標準体重を維持する量とする。
(2) × 炭水化物エネルギー比を50〜60%とする。
(3) × 脂肪エネルギー比率を20〜25%とする。
(4) × 高トリグリセライド血症の場合は、アルコールの過剰摂取を制限する。
(5) ○ 高カイロミクロン(キロミクロン)血症の場合は、脂肪エネルギー比率を15%以下とする。

 

 

*高LDL-C血症と食事
LDL-Cを上昇させる飽和脂肪酸、コレステロール、トランス不飽和脂肪酸の摂取を減らす。飽和脂肪酸はエネルギー比率7%未満、コレステロールの摂取は1日200mgに制限する。具体的には脂肪含有量の多い肉類や乳類と卵類を制限する。また、LDL-C低下作用を有する食品、特に水溶性食物繊維、植物ステロールの摂取を増やす。高LDL-C血症(高コレステロール血症)の場合は、脂肪酸のうち、n-3系多価不飽和脂肪酸(EPA、DHA)が有用であるというエビデンスがある。また、食物繊維にはLDL-コレステロールの排泄を促進する作用があるので、積極的に摂取する必要がある。
*高TG血症と食事
炭水化物エネルギー比をやや低めとし、アルコールの過剰摂取を制限する。n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取を増加させる。高カイロミクロン血症では、より厳格に脂質制限を行う。脂肪エネルギー比を15%以下に制限し、中鎖脂肪酸やn-3系多価不飽和脂肪酸を主として用いる。
*低HDL-C血症と食事
適量の飲酒でTGに異常がなければ飲酒制限は必要ない。トランス不飽和脂肪酸及びn-6系多価不飽和脂肪酸の過剰摂取を制限する。
解答 (5)

 

23-131 痛風に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a 治療目標は、血清尿酸濃度8.0mg/dL以下である。
b 痛風は、視覚障害をきたす。
c 尿路結石の予防には、尿の酸性化を避ける。
d アロプリノールは、尿酸産生を抑制する。
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd

 

解説 a × 治療目標は、血清尿酸濃度6.0mg/dL以下である。血清尿酸値が7mg/dL以上になると高尿酸血症と診断される。血清尿酸値が7mg/dL以上になると、血液中の尿酸が析出(せきしゅつ)する。析出した尿酸が結晶化し、尿酸塩となり、関節等に沈着するのが「痛風」である。尿酸の基準値は男性で3.8〜7.5mg/dL、女性で2.4〜5.8mg/dLとされている。
b × 痛風は、関節炎、尿管結石、尿路結石等をきたす。尿酸塩結晶が関節内で沈着し、炎症を起こした状態が「関節炎」、尿酸塩結晶が集まって腎臓に結石を生じた状態を「腎結石」、尿管に結石を生じた状態を「尿管結石」という。腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石を総称して「尿路結石」という。
c ○ 尿酸値が高くなり尿が酸性になるほど、尿路結石が形成されやすくなる。つまり、尿のアルカリ化は尿酸結晶の生成を予防するということである。よって、尿のpHをアルカリ性に保つため、食物繊維を含む野菜や海藻類を積極的に摂取する。
d ○ 尿酸降下薬は、「尿酸排泄促進薬」と、「尿酸生成抑制薬」に分類される。尿酸排泄低下型に尿酸排泄促進薬、尿酸産生過剰型に尿酸生成抑制薬(アロプリノール)を選択することを基本原則とする。
解答 (5)